カウンセリング・心理療法の基本 転移について
- 対人関係のパターンを理解することは大切
私たちはそれぞれの人に特有の対人関係のパターンを持っています。それは知らず知らずのうちに身に付いてしまっており、自分ではなかなか分からないものです。また、自分で無意識のうちに身に付けてしまい、それを繰り返してしまっています。それが人間関係の問題を引き起こしていることもよくあります。
それを心理療法、心理カウンセリングを通して、知ることはとても大切です。
- 対人関係のパターンが転移
精神分析では、過去に重要な他者との間で生じさせた欲求、感情、葛藤、対人関係パターンなどを、別の者に対して向ける非現実的態度を転移と呼びます。過去の重要な他者というのは、一般的には母親であることが多いです。ただ、単純に母親だけとは言えないですし、母親とのある対人関係パターンを繰り返している訳ではないので、そこが難しいところです。
精神分析では、発達の初期における重要な人物への態度がクライエントの基本的態度であると考えています。それが転移であり、転移に症状や問題行動の背後にある不安、葛藤などが集約され現れると考えています。
- 心理療法で対人関係のパターン(転移)を理解する
転移は無意識的に身に付いた対人関係のパターンなので、自分自身で理解することはとても難しいことです。それを心理療法を通して理解します。それによって現在起こっている問題行動や症状が解消されることを目指します。
- 転移は無意識で起こっていること
過去の重要な他者に向けられていた対人関係のパターンは無意識に身に付いたものなので、無意識を知ること、理解することは時間のかかることです。知りたくないという気持ちが生じることもよくあることです。ただそれにカウンセラー、セラピストは粘り強く、寄り添い、少しずつ理解をできるようにサポートします。これまでのカウンセリングがうまくいかなかった方というのは、急に知ってショックを受けたり、傷ついてしまった方もおられます。
- まとめ
精神分析では、転移に焦点を当てて、カウンセリング・心理療法を進めていきます。
現実的な問題や症状を取り除くだけでなく、本当に自分自身を理解することを目的としたものです。現代はすぐに結果や効果を求めがちな傾向にありますが、じっくり自分自身の問題に向き合い、自分をよりよくしたい方をお待ちしております。
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