精神分析的心理療法の治療効果
はじめに
最近、新たに精神分析心理療法(文献内では力動的心理療法)の治療効果を示す資料がありました。
精神分析的心理療法の効果について 研究方法
成人の一般的な精神疾患における精神分析的心理療法の系統的包括的レビューが実施されました。有効性を評価するために、過去 2 年間に発表されたランダム化比較試験 (RCT) のメタ分析に焦点を当て、有効性、費用対効果、変化のメカニズムに関する証拠をレビューされています。
メタ分析は、提案された最新の基準、つまり効果の大きさ、バイアスのリスク、矛盾、間接性、不正確さ、出版バイアス、治療忠実度、およびその質と一次研究の質を使用しており、少なくとも2人の評価者によって評価されています。
精神分析的心理療法の効果について 研究結果
系統的な調査により、うつ病、不安障害、パーソナリティ障害、身体症状障害において精神分析的心理療法の効果が特定されました。うつ病および身体症状性障害における質の高いエビデンスと、不安症およびパーソナリティ障害における中程度のエビデンスが出ています。
精神分析的心理療法はうつ病、不安障害、パーソナリティ障害、身体症状障害では最も適切な治療方法の一つだと言えます。
これは日々、精神分析的心理療法をおこなっている公認心理師、臨床心理士、また治療を受けているクライエントの方を勇気づける結果だと思います。
他の心理療法との関係について
この研究は精神分析的的心理療法の効果を示すものです。他の心理療法との比較研究ではないため、精神分析的心理療法が他の心理療法よりすぐれていることを示すものではありません。
まとめ
この10年、精神分析的心理療法の治療効果の研究は進められています。精神分析的心理療法は特にうつ病、不安障害、パーソナリティ障害、身体症状障害に効果があるエビデンスが出ました。
精神分析的心理療法はうつ病、不安障害、パーソナリティ障害、身体症状障害だけではなく、それ以外の症状の方にも役立つと思っており、さらなる研究成果が期待されます。