統合失調型パーソナリティの特徴

統合失調型パーソナリティ障害では,関係念慮,妄想様観念,身体的錯覚,魔術的思考といった統合失調症に近い症状が表れます。

ただ統合失調型ほどには思考や行動は障害されておらず、時々統合失調症のように見える時もあるけれど、ずっとそうではない状態であるといえます。

統合失調型パーソナリティ障害の人は、あまり必要以上には他人と交流することは望みません。それは他人と関わることへの不快感が、他人より強いためです。特にあまり慣れな場所では不安になりやすいです。

普通の出来事を自分にとって特別な意味をもつものと誤って理解することがあります(関係念慮)。ちょっとした出来事を自分に特別なことをされたと思ったり、逆にちょっとした出来事を過剰に被害的に受け取ることもあります。

時々、奇妙な行動をしたり、発言をすることがあります。それが周囲には理解できず、注意したりしても伝わりません。注意や叱責が逆に、孤立を深めてしまうことになります。

服装が奇抜だったり、だらしなかったりすることがあります(例、季節外れな服装、場違いな服装や振る舞い)。

視線を合わせないといった社会的慣習を無視したり、変に馴れ馴れしかったりすると思ったら、急によそよそしくなったり、他者との交流が不適切であることがあります。

性格的に疑い深かったり,人に攻撃的な言動をすることもあります。

診断基準(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition[DSM-5])

統合失調型パーソナリティ障害の診断を下すには,患者に以下が認められる必要がある。

  • 親密な関係に対する強い不快感および親密な関係を築く能力の低さの持続的なパターン
  • 認知または知覚の歪みと行動の奇異性

このパターンは,以下のうちの5つ以上が認められることによって示される。

  • 関係念慮(日常の出来事が自分にとって個人的な特別な意味をもつ,あるいは自分個人に向けられた特別な意味や重要性をもっていると思い込むこと)がみられるが,関係妄想(似ているが,より強い確信をもって思いこむ)はみられない
  • 奇妙な信念または魔術的思考(例,千里眼,テレパシー,または第六感を信じている;超常現象にとらわれている)
  • 異常な知覚体験(例,自分の名前をささやく声が聞こえる)
  • 奇妙な思考および発話(例,曖昧,隠喩的,過剰に綿密,または常同的なもの)
  • 疑念または妄想性思考
  • 状況に相応しくない感情または感情の幅の狭さ
  • 奇妙,風変わり,または独特の行動および/または外見
  • 第1度親族を除き,親しい友人または相談相手がいない
  • 慣れによって緩和することがなく,主に妄想的恐怖に関連する過度の社交不安

また,症状は成人期早期までに始まっている必要がある。

統合失調症パーソナリティ障害の治療は、薬物療法と心理療法を併用することが望ましいと思われます。

心理療法では認知の歪みや問題行動について共に考えていきます。

精神分析は歴史的に精神病の治療の蓄積もありますので、お役に立つことがあると思います。

もし困っていること、悩んでいることがあれば、問い合わせフォームからご相談ください。

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