シゾイドパーソナリティの特徴
シゾイドパーソナリティとは
シゾイドパーソナリティ障害は,他者と意味のある関係をもつ能力が制限される障害です。
シゾイドパーソナリティ障害は、幼少期に養育者が感情的に冷たい,無視する,よそよそしい人物で,満足の得られるものではなかった対人関係が影響すると言われています。
シゾイドパーソナリティ障害はうつ病を併発していることも多いです。また、妄想型パーソナリティ障害、統合失調型パーソナリティ障害、境界性パーソナリティ障害、回避性パーソナリティ障害を併発することが多いともいわれています。
シゾイドパーソナリティの特徴
シゾイドパーソナリティ障害は,他者との親密な関係に対する欲求をもたないように見えます。親しい友人または相談相手がいない、一人でいることを好みます。他者との交流の必要がない活動および趣味(例,コンピュータゲーム)を選びがちです。
また他人が自分のことをどのように考えているかについて,あまり悩んだりすることはありません。
社会的に無関心,自分のことに没頭しているように見え、あまり感情を表に出したりもしません。挑発されても、受身的であったりします。
ただ表面的には悩んでいるように見えなくても、怒りや感情表すことに困難を抱えていたり,対人関係でうまくいっていないことを悩んでいることもあります。また、自分の将来について悩んでいることもあります。
周囲にあまり迷惑をかけないので、大きな対人関係とトラブルを引き起こすことはまれですが、何を考えているのか分からない、とっつきにくい人だと思われがちです。
シゾイドパーソナリティの診断
診断基準(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition[DSM-5])
シゾイドパーソナリティ障害の診断を下すには,患者には以下の持続的なパターンが認められる必要があります。
- 社会的関係からの離脱および全般的な無関心
- 対人関係における感情表現の少なさ
このパターンは,以下のうちの4つ以上が認められることによって示される:
- 家族構成員とのものを含め,親密な関係を求める欲求がない,またはそのような関係を楽しまない
- 1人での活動を強く好む
- 他者との性的活動に対する興味が,あるとしてもごくわずかである
- 楽しみを得る活動がほとんどない
- 場合により第1度親族がいること以外に,親しい友人または相談相手がいない
- 他者からの賞賛または批判に対して明らかに無関心である
- 感情的に冷たい,超然としている,または平板である
また,症状は成人期早期までに始まっている必要があります。
他のパーソナリティ障害との区別について
- シゾイドパーソナリティ障害では,統合失調症とは異なり,認知障害または知覚障害(例,パラノイア,幻覚)は認められません。
- シゾイドパーソナリティ障害では,自閉スペクトラム症にありがちな社会的障害および常同的な行動または興味はそれほど顕著ではありません。
- シゾイドパーソナリティ障害では,統合失調症型パーソナリティにありがちな知覚および思考の歪みはありません。
- ゾイドパーソナリティ障害の社会的孤立は社会的関係からの広汎な離脱および全般的な無関心によるものですが,回避性パーソナリティ障害では,恥をかいたり,拒絶されたりすることへの怖れによるものです。
シゾイドパーソナリティの治療
シゾイドパーソナリティ障害の治療は、他ののパーソナリティ障害と同じですが、パーソナリティの特徴で、なかなか自ら相談機関を訪れたり、悩みを他人に相談することがありません。
どちらかというと家族が、現在は普通に仕事をしたり、社会生活を送っているが、ご本人の結婚や将来を心配して、相談にこられることもあります。
ただご本人も表には出しませんが、対人関係がうまくいっていないと感じていたり、漠然と将来に悩んでいるので、カウンセリング、心理療法は有効です。また一度安定した関係を治療者と築くことができれば、安定した関係が長く続く傾向があります。
当オフィスでは、じっくりと安心して相談できる環境を整えており、じっくりご本人の内面と向き合うようにしております。そのような意味では、シゾイドパーソナリティの方にとっては、適切であるかもしれません。
もし困っていること、悩んでいることがあれば、問い合わせフォームからご相談ください。